製薬企業・メディカルドクターへの転職【転職エージェントが裏側を語る】


・メディカルドクターってどんな仕事をするの?
・給与や待遇はどれくらいなのか?
・メディカルドクターに強い転職サイト・エージェントは?

 

この記事を書いている私は、医師転職エージェント歴5年、メディカルドクターの転職へも数多く関わってきました。

こういった私が、メディカルドクターの年収や転職を成功させるコツを解説します。

 

製薬企業・メディカルドクターへの転職【転職エージェントが裏側を語る】

■仕事内容について
 メディカルドクター(Medical doctor:MD)とは、製薬企業の勤める医師のことで、
新薬開発や既に流通している薬剤の安全性や有効性を審査する(育薬)仕事します。

主にメディカルドクターと言っても「臨床開発(新薬)」か「販売後の有効性・安全性評価(育薬)」の2つに分かれます。
新薬開発とは、薬剤の新薬開発部門に所属し、医学的な立場から、治験の企画から試験の実行・評価、承認申請などに携わり、新薬の開発の一端を担う役割を果たします。
試験データや資料の作成などが求められる他、臨床での視点から適切な意見を述べたりすることが求められます。

 

市販後の有効性・安全性の評価では、安全対策部門に所属し、新薬が発売された後の薬剤の安全性などを評価します。開発段階では把握できなかった情報収集された副作用を適切に評価し、問題の特定を行うことで、育薬に携わる役割を担っています。

また、共通して、海外の子会社のMDとの治験や安全性評価に関する協議を行うことから、高い英語スキルが求められます。

 

■働き方は

勤務形態:基本的には完全週休二日制です。(土日祝日休み)
臨床では、他の医師の目を気にして休みを取らないといけないですが、製薬企業ではそんなことはありません。有給休暇の取得や長期休暇も自分のタイミングで安心してとることができます。(製薬業界は一般の方にとってもホワイトな職場です)

勤務時間:ほとんどの会社がフレックスタイム制を導入しています。
また、基本定時(9時~17時)ですし、当然ですが、当直やオンコールでの呼び出しもありませんので、ワークライフバランスが保った働き方が可能です。

給与:経験スキルによって大きく異なりますが、おおよそ1300~2500万円ほどです。
内資系製薬企業よりも外資系の製薬企業のほうが若干高くなります。
未経験からの転職では、1300~1500万ほどでしょう。役職についたり、マネジメントのポジションになると2000万以上になります。
また、給与以外にも、住宅手当や退職金もあり、福利厚生がとても充実しています。
福利厚生面も含めるととても条件としては良くなります。

 

■やりがい
新たな医薬品や治療法を世に出し、多くの患者さんを助け、医療の発展に大きく貢献できる点です。自らが手がけた薬剤が世に出るのは、格別なものですし、薬剤は一生残ります。研究職や海外のグループ会社のMD、KOLの医師、経営管理部、各分野の専門家などの優秀な人々と密接にコミュニケーションをとりながら、プロジェクトを作り上げていくことは、やりがいを感じるでしょう。専門的な知識を生かして日々新しい刺激に触れることができるのも醍醐味です。

 

■大変なこと
医師といっても製薬企業の社員ですから、「先生」とは呼ばれないことも多いです。最近は、昔ほど医師の仕事に特別意識をもつ方は少なく、考え方も変わってきているので、このことをデメリットと感じる方は少ないと思います。
しかし、「医師は特別だ」という意識が非常に強く、臨床医としての昔のイメージを引きずってしまうと、転職後もその体質が抜けず、周りとコミュニケーションがうまく取れずに職場で浮いてしまった、という方が過去にはいました。

 

メディカルドクターに転職するメリット・デメリット

woman talking through mobile phone while sitting on swivel armchair

■メリット
・臨床では味わえないやりがいがある
・当直・時間外の呼び出しがないため、ワークライフバランスを保つことができる


■デメリット
・臨床に戻りにくい
臨床の現場から離れることになりますので、臨床に戻りにくくなります。
※兼業が認められている会社もあります

 

・定年がある
企業ですので、60歳もしくは65歳で定年となります。
その後再雇用してもらえる企業もありますが、給与は著しく下がるでしょう。
臨床では、老健施設や療養病院では、70歳まで働き続けることが可能ですので、
その点は留意しておきましょう。
とはいえ、退職金もありますし、臨床を少しでも続けていれば、転職することもできるので、一概にデメリットとは言えません。


■メディカルドクターに向いている方
・新薬開発、企業での経営などに貢献したい方
・チームで物事をやり遂げることにやりがいを感じる方
・研究職志向で人とのかかわりが好きな方


メディカルドクターへの転職の難易度や転職を成功させるためには?

■メディカルドクターへの転職の難易度
MDへの転職の難易度はとても高いです。
上述のように、ワークライフバランスを保ちつつ高い給与を稼げることができ、なおかつ、希少性が高いので、やりがいを求めて希望される医師も多く、とても人気がある職種です。製薬企業の数には限りがありますし、基本的に本社(東京もしくは大阪)になるので、転居ができない場合は、製薬企業も限られてきますので、転職の難易度はとても高いです。

 

■求められる資質・有利な資格

企業が求めるMD像はおおよそ下記です。
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日本での臨床経験5~10年以上(研修医期間含む)を有する医師
内科、外科系、特に近年は中枢神経系や癌の専門性を有する医師のニーズが高い
専門医の資格、留学経験があればなお良し。

英語の読み書きに対応でき、会話についても抵抗がなく、
できればビジネス上の英語での経験(留学経験)があれば望ましい

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・高い専門性、博士号
新薬開発などは高い専門性が求められます。
研究や臨床の両側面から、的確な評価や助言が必要となりますので、深い知識と経験が豊富な方が好まれます。博士号を持っている方は、研究と論文を書くことが得意と考えられるので、メディカルドクターへの転職は有利に働きますので、
学会での実績などを売りにしましょう。

 

・英語力
海外のMDともやりとりするため、ビジネス英語でのコミュニケーション能力が求められます。具体的には留学した経験がある方は有利に働きます。民間の試験(TOEIC)では最低でも700~800点は必要です。ただ、30代の若い方はすぐに英語のコミュニケーションスキルを求められず、ポテンシャル採用となることもありますので、留学経験のある方はアピールポイントになるでしょう。

 

・コミュニケーションスキル、チームで物事を成し遂げた経験のある方
 メディカルドクターは一企業に属することになり、かつチームでプロジェクトを進めていくことになります。これまで臨床や研究において、「課題に対して、どのように考え行動し、成果を上げてきたか」を問われます。そのエピソードを語れるよう準備しておく必要があります。

 

・ビジネス・経営感覚に優れている方
新薬の開発には、莫大なコストがかかりますが、同時に会社に利益をもたらすことが重要です。時には、経営的や費用対効果の面から開発を中断するという判断が下される場合があります。そのほかにも常にコスト意識が付きまといますので、ビジネス的ものの見方が大事になってきます。臨床では、あまり感じないかもしれないですが、院長や経営者からの視点を意識しておきましょう。

 

■転職を成功させるコツ

 

・情報収集が重要
MDへ転職するためには、企業が採用を行っている必要があります。
情報収集の経路は、自社のホームページを見る、転職サイトに求人がある、コネやつてなどがあります。忙しい中ですべての情報を自らチェックするのは難しいので、
「転職サイトに登録し、現在でている求人をチェックする」→「転職サイトに出ていない求人を製薬会社のホームページで調べる」といった手順で行うことで、
求人の漏れはなくせるかと存じます。

 

・転職エージェントを使用する
上記でお伝えしたようにMDへの転職は狭き門です。
書類選考もただ職務経歴書を出すだけで通ることはありませんし、面接も複数回あります。(最終面接は役員クラス)面接でも、「なぜMDを志望するのか、なぜその会社を志望するのか」、「臨床や研究での成果」「自己PRと会社にどうのように貢献できるか」など、厳しい質問がありますので、それに的確かつロジカルに答える必要があります。職務経歴書の添削や面接対策などのプロですので、アドバイスを受けることに越したことはありません。

 

■製薬企業への転職に強いサイト・エージェント9選

※転職エージェントからみた活用法※

結論から言うと、下記の一般の転職支援会社、医師専門人材紹介会社、製薬業界専門紹介会社の3つにバランスよく登録することが重要です。

 

 

【一般企業系人材紹介会社3選】
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